こんな症状が見られたら…「てんかん」
「てんかんとは?」
発作的に繰り返される痙攣や意識障害を起こす疾患で、全身性のけいれんを起こすものから、手足の小さな震えだけを起こすものまで様々な症状を引き起こします。てんかんには真性てんかんと、病気の一症状としての症候性てんかんなどに分類されます。犬種的にはダックス、ビーグル、プードル、シェットランドシープドッグなどに遺伝的素因を持っていることが知られています。
「症状は?」
全般発作では流涎、不安、落ち着きのなさなどを前兆として、手足の硬直を起こして倒れる場合や、横になったまま泳ぐような遊泳運動が見られることがあります。この時、失禁や排便をすることもあります。発作は多い場合で数秒から数分で治り、終わるとけろっとしています。部分発作では、全般発作のような全身症状が見られず、右手だけとか、顔だけなどの硬直、大量のよだれなどを示すことがあります。一旦落ち着いた後に再び発作を起こすこともあり、その場合は命に関わることもあります(重積発作)。
「症状が出た場合はどうする?」
初回の発作の場合、重篤でなければ経過を観察するように指示しています。発作が起こる前にどのようなことがあったか、発作の持続時間、発作の様子、発作の後すぐに正常に戻るかなどを観察していただきます。1日に2回以上の発作や、1ヶ月に2回以上の発作を起こす場合は検査・投薬治療となります。一般的には身体検査、神経学的検査、血液検査を行い、抗てんかん薬の投与を行います。内服に反応しない場合、徐々に悪化する場合は薬物の変更またはMRI検査を実施することもあります。症候性てんかんが疑われる場合は原疾患の治療を並行して行います。
「通常の特発性てんかんではなかった実例」
① てんかん様の発作を頻発していたため、抗てんかん薬の投与を行うも改善せず。当院で超音波検査と心電図検査を実施したところ、重度房室ブロックと診断された。大学病院への紹介と早期のペースメーカー設置により発作は速やかに改善した。
② てんかんと診断され、抗てんかん剤の投与で抑えられていたが、徐々に発作の回数が増えた。当院からMRI検査を指示したところ、肉芽腫性壊死性脳炎と診断された。ステロイドの併用にて治療を行ったところ、発作の回数を抑えることができた。
③ 間欠的な部分発作と震えのため、他院でてんかんと診断され内服薬の投与をしていたが改善せず。当院で行った神経学的検査の結果、頸部椎間板ヘルニアの疑いがあったため、MRI検査を実施したところ、検査前診断と合致したため、内服の変更を行い、症状は速やかに改善された。(高齢のため専門医とご家族の間での相談の結果、手術は実施せず)
以上のように、単純なてんかんと診断されても、実際には別の疾患が隠れている可能性も高い疾患です。正しい診断を行うことで、症状を上手に緩和することもできます。もしも大切なペットにこのような症状が見られた場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。
発作的に繰り返される痙攣や意識障害を起こす疾患で、全身性のけいれんを起こすものから、手足の小さな震えだけを起こすものまで様々な症状を引き起こします。てんかんには真性てんかんと、病気の一症状としての症候性てんかんなどに分類されます。犬種的にはダックス、ビーグル、プードル、シェットランドシープドッグなどに遺伝的素因を持っていることが知られています。
「症状は?」
全般発作では流涎、不安、落ち着きのなさなどを前兆として、手足の硬直を起こして倒れる場合や、横になったまま泳ぐような遊泳運動が見られることがあります。この時、失禁や排便をすることもあります。発作は多い場合で数秒から数分で治り、終わるとけろっとしています。部分発作では、全般発作のような全身症状が見られず、右手だけとか、顔だけなどの硬直、大量のよだれなどを示すことがあります。一旦落ち着いた後に再び発作を起こすこともあり、その場合は命に関わることもあります(重積発作)。
「症状が出た場合はどうする?」
初回の発作の場合、重篤でなければ経過を観察するように指示しています。発作が起こる前にどのようなことがあったか、発作の持続時間、発作の様子、発作の後すぐに正常に戻るかなどを観察していただきます。1日に2回以上の発作や、1ヶ月に2回以上の発作を起こす場合は検査・投薬治療となります。一般的には身体検査、神経学的検査、血液検査を行い、抗てんかん薬の投与を行います。内服に反応しない場合、徐々に悪化する場合は薬物の変更またはMRI検査を実施することもあります。症候性てんかんが疑われる場合は原疾患の治療を並行して行います。
「通常の特発性てんかんではなかった実例」
① てんかん様の発作を頻発していたため、抗てんかん薬の投与を行うも改善せず。当院で超音波検査と心電図検査を実施したところ、重度房室ブロックと診断された。大学病院への紹介と早期のペースメーカー設置により発作は速やかに改善した。
② てんかんと診断され、抗てんかん剤の投与で抑えられていたが、徐々に発作の回数が増えた。当院からMRI検査を指示したところ、肉芽腫性壊死性脳炎と診断された。ステロイドの併用にて治療を行ったところ、発作の回数を抑えることができた。
③ 間欠的な部分発作と震えのため、他院でてんかんと診断され内服薬の投与をしていたが改善せず。当院で行った神経学的検査の結果、頸部椎間板ヘルニアの疑いがあったため、MRI検査を実施したところ、検査前診断と合致したため、内服の変更を行い、症状は速やかに改善された。(高齢のため専門医とご家族の間での相談の結果、手術は実施せず)
以上のように、単純なてんかんと診断されても、実際には別の疾患が隠れている可能性も高い疾患です。正しい診断を行うことで、症状を上手に緩和することもできます。もしも大切なペットにこのような症状が見られた場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。
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